生月島の北端にある大バエ灯台。その近くに戦争の遺跡があります。
最初、地元の方から「無線機を置いていた場所」と聞いていたのですが、行ってみたら海軍の砲台が置かれていた場所でした。
砲台へ降りる崖の上からの景色です。
佐世保海軍警備隊の史料によると、ここには14センチカノン砲が2門置かれていたようです。1門が置かれていた砲台は現在埋められていてわかりませんでしたが、そこだけ木々が生えていないのでこの土の中に穹窖があるのかな、と推測しています。
もう1つの砲台はいまもしっかり残っています。
崖の上から砲台を見下ろしたところ。
足元が悪いので、近くまで行くには要注意です。足を踏み外したら確実に痛い思いをしそうです。近くまで寄ると砲身を収めていた溝があるのがわかります。内部は20人くらい入れそうな部屋と奥にも小部屋のような穴があります。
部屋の内部から外へつながっている穴がありました。ちょうどイノシシが1頭分滑り落ちるのにちょうどいいくらいの大きさです。内部から入り口を見ると丸い木の棒を並べて突き刺していたような跡があります。
この砲台の前は15メートルほどの平地が広がっており、その先は崖になっています。現在平地は藪に覆われているため、海からはまったく確認が出来ません。生月島1周クルーズのガイドをするときにこの崖の前も通るのですが、みごとにカモフラージュされていてどこに砲台があるのかわからないのがさすがと思います。
崖の中腹辺りにあるはずなんだけど、目を凝らしてもわからない…
壮大で優しく美しい海と空に囲まれて、人知れずひっそりと存在する冷たいコンクリート構造物。そのギャップに気持ちがついていかず、不思議な興奮を抱えて帰途につきました。